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2025.06.23

人の力で、未来は変えられる—企業と個人、その“ありたい姿”を共に描く

エグゼクティブエージェント コンサルタント 飯塚 亜子

私が最も大切にしていることは、採用を起点に、その企業の経営の本質に触れること。目の前のポジションではなく、企業がどんな未来を描こうとしているのか。その“ありたい姿”に耳を傾け、対話を重ねながら支援を続けている。
“寄り添う”だけではない、“支える”という仕事の本質を、私はこう捉えています──。
それは、企業の未来に共に向き合い、まだ言葉にならない想いを形にしていくこと。

エグゼクティブエージェント コンサルタント 飯塚 亜子

エグゼクティブエージェント コンサルタント 飯塚 亜子 AKO IIZUKA

2014年よりパーソルキャリア(旧インテリジェンスエグゼクティブサーチ)に参画。 シニアコンサルタントとして小売業、日用品・食品の製造業、ヘルスケアメーカーを中心に事業変革期に於けるエグゼクティブ層の採用支援に従事。

目次

エグゼクティブエージェント コンサルタント 飯塚 亜子

1.「顧客価値とは何か」を叩き込まれた20代

私のキャリアは、2001年に新卒で入社した人材紹介エージェントのリクルートエイブリック(現リクルート)から始まりました。 法人営業を中心に13年間在籍し(うちキャリアアドバイザー3年)、「顧客にとっての価値とは何か」を常に問い続ける日々でした。 求められている成果をどうすれば超えられるか。 単なるマッチングではなく、「価値提供のプロセス」を組み立てていく経験は、今の自分の軸になっています。

その後、外資系のエージェントに転職し、マネジメント業務も経験しました。 事業構造や文化が大きく異なる環境で、自分のスタイルがうまく馴染まないという壁に直面しました。
組織にいい影響を与えるためには、個人の力だけでは難しい。価値観の違いや文化のギャップを超えることの難しさを実感しました。 この挫折は大きかったですが、今の「両面型コンサルタント」としてのスタンスを築く上で、確かな糧になっています。

2.企業の“ありたい姿”と、個人の人生の選択に向き合う

現在、エグゼクティブ層の転職支援において、法人と個人の両方に向き合う「両面型」での支援に取り組んでいます。 経営課題と人生の選択、どちらにも丁寧に向き合うことが私のスタイルです。
企業側には、経営層との対話を通じて、中長期の経営計画や事業戦略、組織課題を伺います。
採用要件だけでなく、「この企業がどんな姿を目指しているのか」という未来の方向性を共有しながら、求める人物像を一緒に描いていきます。

採用のご相談をいただくときもあれば、「今すぐではないけれど、今後の組織づくりについて考えたい」といった段階でお声がけいただくこともあります。 たとえ採用が目的でなかったとしても、「この会社が、どうやって日本を元気にしていきたいのか」そんな想いに触れられることは、私にとって大きな喜びです。 目の前のポジションではなく、もっと遠くの“ありたい姿”を一緒に描けること。そうした対話の中にこそ、支援者としての原点があると感じています。

採用についてのお話に繋がったときは、その要件に合いそうな候補者を探し、候補者とは面談で対話を重ねます。 キャリアだけでなく、ご本人が大切にしている価値観やご家族との関係、これからの人生観などにも丁寧に耳を傾けます。

経営人材としての覚悟と、個人としての等身大の想い——。そのどちらにも向き合うことを大切にしています。 双方の合意形成が進んだ後は、選考支援、条件調整、入社後の定着、オンボーディングまで一貫して伴走します。 「紹介して終わり」ではなく、しっかりと迎えていただくプロセスを企業と同じ温度で支える。それが、私の支援の根幹です。

相手が本当に求めていることを探しに行く。
自分が同じ船に乗っているつもりでいる。
——そんな姿勢で、私は今日も一社一人に真摯に向き合っています。

企業と個人も、それぞれが持つ力の総和が、社会をより良い方向へと進めていく。そして、企業が覚悟を決め、個人が人生に一歩踏み出す——。 その両者の“熱量”が交差し、最大化される瞬間に立ち会えることが何よりのやりがいです。

エグゼクティブエージェント コンサルタント 飯塚 亜子

3.採用を起点に、経営の本質に触れる

法人との関わりにおいて、私が最も大切にしているのは、「採用を起点に、その企業の経営の本質に触れること」です。 エグゼクティブ採用は、単なる人材補充ではありません。それは、企業が「次の未来をどう創っていくか」という問いに対し、変化の起点を外から持ち込む行為です。

だからこそ、表面的な要件だけでなく、その企業が大切にしている文化や価値観、社会との関わり方まで深く理解しない限り、本当のマッチングは実現しません。 初回のミーティングで、事業の展望やパーパスにまで踏み込めたとき、その企業が目指す“理想の姿”に共鳴できたとき、 私は「この出会いには意味がある」と感じます。

その上で、もし人材紹介では解決できない課題だと感じれば、自社の顧問サービスやグループのシンクタンクと連携することもあります。 パーソルグループには多様な支援リソースがあるため、無理に「採用ありき」にせず、最適な価値提供を常に模索できます。 だから、私はパーソルキャリア エグゼティブエージェントのコンサルタントとして続けていけるのだと思います。

4.五つの“〇〇者”になるということ

新人の頃、先輩から言われた言葉があります。「五つの“〇〇者”になれ」と。 それは、医者(診断する)、役者(演じる)、学者(学ぶ)、易者(予見する)、芸者(場を和ませる)の五つ。

この五つの“〇〇者”の教えは、今も私の仕事の軸になっています。 なかでも大切にしているのは、「相手の表情や間合いを感じ取る」こと。これは、AIやシステムでは代替できない、人間にしかできない領域だと思っています。

企業のキーマンが本当に重視していることは何か。候補者が何に迷い、何に心を動かされているのか。 言葉にならない部分まで含めて、見つめ、感じとる。それが、私にできる支援だと思っています。

エグゼクティブエージェント コンサルタント 飯塚 亜子

5.「一緒に悩み、未来を創る」

これまで出会ってきた企業にも、これから出会う企業にも、私が願うのはいつも同じことです。「一緒に悩ませていただきたい」——その気持ちに尽きます。

企業の未来を描くとき、そこには明確な答えがあるとは限りません。リーマンショックや震災などの重大な出来事は、状況を大きく変化させる力を持っています。 事業戦略や採用要件、経営者の覚悟さえも全てが揺れ動きながら、時間をかけてかたちづくられていくものです。
私は、そんな揺らぎの中に身を置くことを、苦だとは思いません。むしろ、その揺らぎの中にこそ、企業が本当に大切にしたい想いや、変わろうとする意思があると感じています。

私一人でできることには限りがありますが、パーソルキャリア エグゼクティブエージェントは100名近いコンサルタントが在籍する組織ですので、成功・失敗問わず、多くの事例や知見が蓄積されています。 また、本格的なリテーナーサーチのサービスや、パーソルグループの各サービス部署など、必要に応じて社内の専門チームと連携しながら、より本質的な支援に踏み込むことも可能です。

人の力で、未来は変えられる。だから私は、「この会社が、どうやって日本を元気にしていきたいのか」 その問いの答えを、一緒に考えさせていただきたいと思うのです。
すぐに答えが出ないときもあると思います。でも、話してみることで見えるものが、必ずあると信じています。

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